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駒鳥短編みっつ

ファイル整理してたら出て来ました。以前にも載せてたら申し訳ない。



【兄弟】ダミ

ダミアンには兄弟がいる。血の繋がったというよりも類似した染色体を持った兄弟が。世間はそれを『クローン』と呼び、母は『失敗作』と呼び、ダミアンは『俺』と呼んだ。
おどろおどろしい奇形の持ち主達は、まともに喋ることすらままならないが、ダミアンには何を伝えたいのか手にとるように理解できた。それが尚更辛かった。

母さんを嫌いになりきれないよと嘆いた。

ブルースがダミアンの小さな肩を抱き軽く擦る。スモッグで覆われた街の上空には、まだサーチライトが照らされていない。
「今度、お前の兄弟を紹介しておくれ」
少年が小さく頷き、泣いた。



【恨みつらみ】ジェイ

死なされた奴じゃなきゃこの痛みはわからない。

過去の苦みを全て集めて煮詰めたキャンディーを舐めた。あいつが渡してきた。くれたわけじゃない。勝手に押し付けてきた。死ぬほど不味くて、でも死なないからそれほどじゃなかったんだと思う。

俺の苦しみってのは、たぶんたかが“死んだ”だけだ。

あいつが俺の名前を呼ぶ。気安く、容易く、全て何もかも忘れたように。俺が墓ん中で死んでる間に生まれただろう餓鬼を侍らせて。にがい。俺はクズだから、いつだって今だって、貰えもしない愛を眺めて指を咥えている。



【二人】ジェイ

このガレキがあと10分もしないで倒壊することは聡明な二人には理解できた。ひしゃげて潰れて破裂する運命にあるのだと。「長生きするぜ」とジェイソンが空笑った。その視線の先には血濡れた指でコンクリートを掘り起こそうとするバットマンがいる。彼は何も言わない。
「そんなに生きたいのかよ」
侮蔑を滲ませた声色に、ようやく蝙蝠の指がピクリと揺れ反応を見せた。短い肯定が返ってくるだろうと予想していたジェイソンは次の言葉で裏切られた。
「お前は生きたくないのか?」
「1回死んでるからな」
蝙蝠が振り返った。その困った子供のような顔にジェイソンはたじろぎ苛立ち罪悪感を感じた。舌打ちをし、不毛とも思えるがれき除去に参加するため重い腰を浮かせた時だった。けたたましい音と共に、太陽の光が差した。良く見知っている兄弟の姿と声がした。

数時間ぶりに這い上がった地上の空気を目一杯吸い込み、ジェイソンは愛車に跨がった。
「2回目はない」
背後から聞こえてきた声に振り向きはせず、青年は片手を揚げ緩くふるとエンジンをかけた。
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コメント
1.無題 なそにさん (2017/06/12 23:01)

お久しぶりです。johnnyさんの駒鳥短編嬉しいです。johnnyさんの作品はどれも素敵ですけど、「パパと僕らとついでにアノ人」のジェイのエピソードが本当に好きなので(脳内でカプロ絵で再生されます)、ちゃんと向き合えないけど、けど…みたいな二人が読めて嬉しいです。本当にお仕事大変そうですが、どうかお体ご自愛下さい。

有り難うございます

なそにさん、お久しぶりです。お元気でしたか?!コメント有り難うございます!嬉しいです!
カプロ絵で再生なんて、ありがたすぎます。あわわ有り難うございます。
向き合えないけど想い合っている不器用な二人はすごくいいですよね!
お心遣い大変有り難うございます!仕事ちょっとまた大変なことになってて最早身を任せるしかないなって開き直ってますww

  • johnny(ジョニー)
  • 2017/06/14(Wed.)
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